株式会社テルミック 代表取締役 梶 正典氏/一見バラバラの多岐にわたるビジネスを手掛ける株式会社テルミック。実はそこにお客様への一貫した姿勢と、事業の成否を見極めるポイントがありました。
【梶社長】ブランド品や貴金属・不用品の買取専門店「エコリング」のフランチャイズ店舗を20店舗、道路・河川等の一般土木から産業廃棄物の収集・運搬までを行う土木建設事業、水処理薬品や冷却水管理薬品等を販売する薬品販売事業、大型コンテナの仕入から販売、遊休地を利用してレンタルスペースの提案・コンテナの設置、コインパーキングの運営を行うコンテナ事業を行っています。
【梶社長】本来は設計から施工までを一貫して行う小回りの利く土木建設会社として支持をいただいてきました。
その過程でお客差からリクエストを受ける形で、薬品、不動産、買取事業と参入しています。確かに事業内容だけを見てしまうと、各事業はバラバラに見えるかもしれません。
ですが、すべての事業は「お客様に貢献できることは何か?」を問い続けた結果、生まれてきた事業です。
そのため私にとってはすべて一貫性があります。
【梶社長】最大15店舗まで携帯ショップを展開しました。
収益性が高く。優秀な社員も育ち、魅力ある事業でしたが、業界の動きを見ている中で、需要が飽和していくにつれて競争環境が厳しくなってきており、これに人材不足も重なる中で、「大手さんに託した方がこの事業は成長する」と考えるに至り、ご縁のあった会社に譲渡することに決断しました。
【梶社長】常に迷うところですが、時代の流れを読み、お客さんのニーズを汲み取ることでしょうか。
今が良いからと言って浮かれていては足元を掬われますし、今が悪いからと言って悲観していてもチャンスを逃します。
時代の流れの一歩先を見て、お客さんが何を望んでいるかをくみ取り、そのお客さんが望んでいるニーズに対して、自分たちは何ができるのかを考えていくことが、事業を見極めるポイントだと考えています。
とにかく新しいことをやる、何でもいいからもう帰る事業に進出する、この考えで事業の成否を見極めてきた結果、自分たちはだれのために、何のために存在しているのかを見失い、内部崩壊した上場企業がありました。
事業の見極めは経営者の最も難しい決断ではないでしょうか。
梶社長とお話をしていると、常に世の中が次にどこへ流れていくかを冷静に探っているのを感じます。
私たちはついつい目の前の出来事に一喜一憂してしまいがちです。
世の中の動向を観察し、お客さんの言動に耳を傾け、世の中の動きとお客様声に対して自分たちは何ができるのかを常に考え続ける。
それが参入すべき事業と売却(撤退)すべき事業を見極めるポイントなのではないでしょうか。