『ミステリと言う勿れ(第1巻より)』
冤罪を疑われる主人公
犯行を認めない主人公を
問い詰める刑事
そこで刑事が決め台詞
『お前が認めなくても真実は一つだ』
普通はここで決まります
しかし、
この物語の面白いのは
主人公・久能整君が、
こんな常識的な決め台詞に
容易にうなづかないこと(笑)
曰く、
真実は一つ
なんて言っているから
冤罪が生まれる
真実は一つではない
人の数だけ真実はある
警察が見つけるべきは
真実ではなく事実だ
と反論します
確かに
私たちの世界では
「真実」が氾濫しています
誰もがみんな真実を
胸に秘めています
真実が厄介なのは
みんな正解
正解ゆえに
みんなが自分の「真実」に従います
やった方は
あいつが先にやった
だから仕返しした
やられた方は
あいつが悪い
だから先にやっただけだ
との連鎖が続きます
殺人事件なら
人が殺されたという事実
殺した人(犯人)が誰かという事実
これしかありません
ここに至る感情を入れ込むと
冤罪が生まれるのでしょう
商売なら
誰が買っているのか?
誰から買っているのか?
これしかありません
これ以外の
どうやって売っている
とか
誰がどんなトークで売っている
とか
そんなものは
枝葉でしかありません
ここを追求しても
冤罪が生まれるだけで
真犯人(真の選ばれる理由)は
得られないでしょう
人の数だけある真実
ではなく
事実を追う
石原は意識してみたい点です