八芳園株式会社 取締役社長 井上 義則氏に、ハード&ソフトの経営資源を生かし、庭園+αの価値を創造した秘訣に迫ります!
【井上社長】緊急事態宣言により、婚礼事業、宴会事業(法人の年周行事、総会、イベント等)とも、そのほとんどがキャンセルとなり、大変厳しい状態となりました。
ただ、婚礼については、「八芳園で挙式を上げたい」との想いから9割以上の方が延期としてくださいました。
2年前のご予約で最近になってようやく式を挙げられた方もいます。
社内では、コロナ禍を良い機会と捉え、「経費の総点検」を図りました。
それまでは当然と思って使っていた経費も聖域なしに見直しを図ったことで、劇的に損益分岐点を下げることができました。
その甲斐あって、コロナ明けとなる今年度は大幅に収益改善できる見通しです。
さらには、事業構造の見直しも行い、「来園型ビジネスに依存しない事業戦略」を構築し、現在はその実行段階に入っています。
【井上社長】八芳園の最大の強みは、この美しい庭園を持っていることです。
一方で、石原さんからも指摘を受けていますが、その庭園も含めた資産に対する利回り(ROA)という観点で行けば、まだまだその資産を有効に活用しきれていません。
資産効率を上げていくためには、来園を待つ事業だけに依存していては自ずと限界があります。
また、今回のコロナ禍のような突発的な外部環境変化によって、収益が大きく変動するリスクがあることも私たちは学びました。
そこで、来園型以外でのビジネスモデルを構築すべく、婚礼・宴会事業では、リモートでも婚礼に参加できる独自のオンライン・ウェブディング・システム「WE ROOM」を構築。
また、オンライン配信がスムーズに執り行えるオンラインスタジオ「KOUTEN」も開設しました。
また、近隣に開館した「MUSUBU」をショールームとし、地方の魅力を発信していくイベントの企画・運営・開催も始まっています。
さらには、これまでの婚礼・宴会事業で培ってきた「食」と「おもてなし」へのこだわり、イベントをプロデュースするノウハウというソフトの経営資源を地方創生に生かせないかと考え、地方自治体が運営しているイベント施設との連携も視野に入れています。
75年の歴史を持つ八芳園。
現状に甘んじることなく、この先100年を超えても愛される続ける企業となっていくというビジョンがあります。
そのためには、来園を待つだけの組織から、外にも発信していける組織へと変貌していく必要があります。
スタッフはみんな八芳園を支えているという自負と高いホスピタリテイを持つメンバーです。その強みを大切にしながらも、新しい八芳園を牽引できるリーダーシップを持つリーダーがどんどん生まれてくる、そんな組織へと成長していきたいと考えています。
コロナ禍という危機を、事業構造を転換していく好機と捉え、これまで培った経営資源を生かし、新たな事業を生み出そうとしている八芳園。現状のブランドに甘んじることなく、新たな価値を創造する取り組みには目が離せません。ぜひご注目下さい!